■修行としての『吉本隆明全集』刊行 |
告知によると、体裁は A5判変型・上製本カバー装・各巻平均590ページ。定価は各巻平均で本体6000円。初年度は3カ月に一巻、次年度以降は隔月刊行の予定という。
刊行までの経緯は3月11日付の「朝日新聞」に詳しい。
私は以前、もし全集を出すのなら100巻を超えるのではないか、と書いた(→吉本隆明についてのメモ)。590ページはごく普通の本の3冊分、それが本巻で38冊。乱暴な予測だったが、およそのイメージとしてはほぼ当たった。全巻揃えば背幅1.5メートル、これだけのボリュームの個人全集が刊行されることはもうないだろう。
順調に進んで7年がかり、経費予算は約2億円とか。
「失敗したら二十数人の社員を路頭に迷わせる。恐怖はありました。私は元僧侶なので瞑想しまして、修行としてやらせていただこうと決めました」と晶文社・太田泰弘氏。
まさに蛮勇と言うべきだが、第1回配本712ページ・初刷3000部・本体6500円──さて、この(特に後二者の)数字がどう変化していくだろうか。顕教・密教合わせた吉本教信者及びファンがどれほど支えきれるだろうか。
→晶文社・『吉本隆明全集』特設サイト
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