■イタリアの光と影──ローマ・フィレンツェ・ヴェネチア・ミラノ1週間の旅 |
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2013年 09月 23日
16〜23日の間、イタリア旅行をした(ローマ→フィレンツェ→ヴェネチア→ミラノ)。16日はちょうど台風18号が関東を襲った日。板付→成田の日航機は、着陸態勢を一度解除して2回目に成功。空港では横殴りの風雨に出迎えられる。それでもアリタリア航空機はイタリアン・スピリッツを発揮し成田を強行離陸、分厚い雲を超えて紺碧の空へ。 [ローマ] 着いたのは夜。ローマは二度目だが、前回は一泊後ナポリ・ポンペイへと長駆、二、三の名所を観ただけで、街全体の印象は掴めていない。 早速、散歩がてら近くにあるスペイン階段に。未だヘップバーン映画の名残があるのか、この時間でも老若男女で賑わっていた。 ホテルはまさに文化財的建築地域の中にある。些細な不便はあったが、何しろイタリア歴史遺産の真っ只中に宿る気持ちには代え難い。うまく寝付けない部屋の窓にも、やがて月が訪れる。一晩中、喧嘩でもなく、睦み事のはずみでもなさそうな男女の甲高い声にうなされる(翌朝、窓から覗いて、通りのBAR〔バル〕から響いていたものと知る)。 明け方、石の空間を渡ってきた冷気に目覚めた。 トレビの泉。そうまでして来る所だろうか。 [ヴァチカン市国] これこそが一神教の聖域、と感服するしかないサン・ピエトロ大聖堂。どでかい宗教建築、そしてその前の大空間としての広場(数万人が集える)──これがヨーロッパ・キリスト教世界。 ヴァチカン美術館蔵では、ラファエロの「アテネの学堂」が気になった。中央にはプラトンとアリストテレス、その他哲学者、科学者など50人以上が描かれているという。哲学とはそもそも思索し語り合うことだ、と振り返ることになった。 ローマの街角。バイクはやはり、中型でもスクーター・タイプが多い。ヴェスパを産んだ国。勿論、旅の間には、爆音を轟かせるハーレー、それにBMWも見た。 また、今回驚いたのが、人が集まる建物内はほとんど禁煙のようだが、路上には、どうかしたら10メートル置きに金属製ゴミ箱が設置され(爆弾テロの心配はない? ひょっとしてゴミ回収関係従業者の反対によるものか)、そこにほとんど灰皿が付属していること。従って歩き煙草がすこぶる多い。往来では勝手だろ、ということなのか、「公共」についての考え方の違いを思わせられた。 コロッセオ。言わずと知れた、4万5000人を収容できたとされる古代ローマの象徴。○○万人の奴隷を使い○○年で完成させたと聞いたけれど、数字は忘れた。俯瞰写真も撮ったが、ここで出すまでもない。何故かこの頃から、空や雲の方が気になり始めた。 フォロ・ロマーノ(古代ローマ時代の中心遺跡)は車中から眺めただけ。それにしても、二日間居て、ローマは街中すべてが石造文化遺産だということを実感。まずは、こうした景観を守ってきたことについて賞賛の気持ちを覚えた。 夕食レストランからの眺望。どこで見たって、空は空だし、夕暮れだってただの時間的・空間的な彩りに過ぎない。けれど……。 [フィレンツェ] 街のシンボル・ドゥオーモ(花の聖母大聖堂)。白・ピンク・グリーンの大理石の幾何学模様が美しい。実にたくさんの人出。 路上のチョーク画家。ちゃんと許可を取っているとのこと。一晩でほとんど掻き消えるらしいが、モナリザの顔を踏んで歩く人間が居るのだろうか。 ウフィツィ美術館は、メディチ家が収集した3万点の絵画を所蔵・展示。中でも、ボッティチェッリが気に入った。「ヴィーナスの誕生」と「春」(絵葉書から)。今更ながらヴィーナスに心底見蕩れるなんて……。原画の力、現場の磁力。 街なかには幾つか広場があり、その一つの隅にあったメリーゴーランド。乗る子はあまり居なさそう。儚くて切ない、一睡の夢のごとき「乗り物」(機械仕掛けの走馬灯?)だが、何故かこれを見過ごすことができない。 フィレンツェ遠景、ヴェッキオ橋。街を写そうとしたのか、空を写そうとしたのか。 [ピサ] 斜塔の立つ公園内には世界中の民族が揃っているのではないかと思った。最上部まで昇り、円く空いた天井部からやはり青空を撮る。 ピサの街。どこまで行っても赤い屋根。 ヴェネチアへの途次、バス車中より。長距離移動の間も楽しませてもらう。 これまで遭遇したベスト3の中に間違いなく入る夕暮れ。胸まで焦がれる気がした。“終わり”がなければ「世界」は美しく輝かないのか──。 [ヴェネチア] お決まりの運河、お定まりのゴンドラ。「わー、ディズニーシーみたい!」と言った日本人女性観光客がいたらしいが、そっちを見たことのない者にも、気持ちはちょっと分かる…かな。街中が迷路のごとくで、はたまた映画のセットのごとくで。 リアルト橋より。007(『カジノ・ロワイヤル』)が出てきそうだ。 サン・マルコ広場のはずれから海を眺める。 サン・マルコ大聖堂の鐘楼上より。二日続けての夕焼け。 サン・マルコ広場の夜。広場両端にテーブル・椅子を並べた二つのレストランでは、小楽団が「オペラ座の怪人」などを演奏、ムードを盛り上げてくれる。過客としてこの場面で感動しないのは無理、というもの。言うまでもなく、この情景が旅のハイライトとなった。 そして朝。ヴェネチアとの別れ。 [ミラノ] ドゥオーモとその屋上から見るミラノの街。 ガレリア──十字型の商店街にガラス屋根をかけたアーケード。この通りにまで街頭用ゴミ箱に付属の灰皿があり、私は一服しつつ佇み、中央の円形屋根下を一回りした。こここそが「劇場社会」の象徴空間ではないか。 サンタ・マリア・デレ・グラツィエ教会でダ・ヴィンチの「最後の晩餐」を観る(掲示した画像はネットから)。食堂の壁に描かれているので、ここでしか拝めない。CO2などの管理のため、一度に20人程が15分間入室の入れ替え制。一枚の絵をこれほどじっくりと眺めたことはない。ついでに、私の好きなダ・ヴィンチの言葉を掲げておきたい。「眼は心ほど騙されない」。 期待したファッションの貌に触れる時間はなかったが、ミラノ観光はこの二つ(ガレリアと「最後の…」)で充分だったと思う。あとは内田洋子氏の本(例えば『ミラノの太陽、シチリアの月 』)で愉しみたい。 映画『ひまわり』にも登場したミラノ中央駅。出会いと別れの交錯地点。 帰国の朝。
by karansha
| 2013-09-23 23:16
| 編集長日記
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