■源太窯の夕日焼 & 赤霧──絶妙な頂き物 |
今回の編集・出版にご協力をいただいている方のお宅で、その方と著者及び私の3人で再校正済みの分を点検確認する。読点一つ、言葉一つをめぐってあれこれと論議しているうち、気がつけば5時間が経っていた。
帰り際、著者から頂き物をした。「赤霧島」五合瓶、それに星野村(八女市)「源太窯」の湯呑み。
赤霧については今更言うまでもないだろうが、芋焼酎好きには堪えられない逸品だ。特にその芳香においては「伊佐美」なんて目ではない。樽形をした湯呑みは、ザラザラとした地肌に螺旋状の突起が走り、緋色から臙脂へと深まるグラデーションが寂びた味わいを醸し出している。内側から上縁にまで掛けられた白い釉薬部分は、視覚的変化と唇への当たり具合を考慮したものだろう。手に持つと、ちょうど親指が来る位置に浅い凹みが拵えられている。
薫り高い赤霧に源太窯の湯呑み──この組み合わせがどれほど絶妙か、そして私が帰宅するなり真っ先に何をしたいと考えたかは、語るまでもないだろう。


[この項書き掛け]