■川上信也写真集『九州・色彩をめぐる旅』 |
写真集(B5判変型横綴じ/120ページ/並製本/定価2700円)自体は少し遅れて11日出来だが、ここで少し内容の紹介をしておこう。
『シティ情報ふくおか』の「旅するカメラ」長期連載を担当、写真講師や写真コンテスト審査員を務めるなど、川上信也さんはもう福岡を代表する風景写真家と言っていい。
県内各地の美しい風景を収めた『フクオカ・ロード・ピクチャーズ』から3年、取材範囲を九州全域(沖縄は除く)に広げ、「色彩」というテーマで編んだ最新作。
緑・赤・青・黄・オレンジ・白・ピンク・ゴールド・モノトーン・紫・虹──九州の自然風景を最も色鮮やかな瞬間で捉え、一枚の写真によって尽きることのない「旅物語」を紡ぎ出すことのできる写真家は、川上さんを措いてほかに居ないだろう。
[装丁:design POOL/帯には私の希望で、本文中の各色扉に使用した写真を11点、横に重ねてもらった。Photoshop を使っている人は分かるだろうけど、画像を一時にまとめて開いた時に現れる、1枚1枚が少しずつズレて重なったあの縁のイメージを使いたかった]

【色彩を意識して過去の写真を整理し,新たに撮影を始めると,さらにいろんな世界が見えてきた。道端に落ちている花の色,木立から降り注ぐ光の色,周囲の色を映す水面の色,さらには朝霧の町での白い虹,イルカの噴き上げた息にかかる虹,ウミガメが泳ぐ温泉の流れ込む海の色などなど,なかなか出合えないであろう現象も次々に訪れた。結局のところ僕は色を強く意識して撮影を続けてきたんだなあということも分かってくる。
そして出来上がったこの写真集。一番古い写真で1999年撮影というのがある。これは初めて手にした一眼レフでの撮影なので,この一冊は僕のこれまでの集大成とも言える写真集だ。とにかく僕自身が見ていてとても幸せな気分になってくる。その幸せがみなさんにもぜひ伝わって,九州の大きな魅力を感じていただければと思う。】(「あとがき」より)
以下、本書の並びに従って、11色から各1点ずつを選んで作品を掲げる。川上さんが風景の中にどのように「色彩」を追って来たかが分かってもらえると思う。是非、手に取ってご覧いただきたい。
●GREEN くじゅう・黒岳山麓

●RED 福岡市・能古島より

●BLUE 奄美大島

●YELLOW 鹿児島・垂水千本イチョウ

●ORANGE 阿蘇

●WHITE 熊本・荒尾干潟

●PINK 霧島・御鉢

●GOLD 高千穂峰

●MONOTONE 宇土市・御輿来海岸

●PURPLE 長崎・野崎島

●RAINBOW 熊本・菊池渓谷

→花乱社HP