■なおも私たちはくり返さぬものへと歩む──週替わりの夕暮れ[14.9.14] |
空ろなまま掻き上げた肌布団の、乾燥した綿の感触が好きだ。
風が少し。
雲の動きから眼が離せない。
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初秋、風に泳ぐ我が家の差し色。
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夕刻、ウォーキングに出発。
蒼穹の断片。
![■なおも私たちはくり返さぬものへと歩む──週替わりの夕暮れ[14.9.14]_d0190217_2337856.jpg](https://pds.exblog.jp/pds/1/201409/14/17/d0190217_2337856.jpg)
西ノ堤池(福岡市城南区)で鳴いているのはツクツクボウシのみ。
追い掛けても、もう夏は還らない。
このキャンバスに飛行機雲は過剰か。
![■なおも私たちはくり返さぬものへと歩む──週替わりの夕暮れ[14.9.14]_d0190217_237368.jpg](https://pds.exblog.jp/pds/1/201409/14/17/d0190217_237368.jpg)
深みを増してきた空、相似形の雲はどこへ向かう。
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夕 景 谷川俊太郎
ふたたび西の空に幾重にも雲は吹き寄せ
かくくり返すものにくり返し支えられつつ
なおも私たちは明日へと駆り立てられる
古びた旋律はうろ憶えに歌うたびに甦えり
死者への哀惜は薄れゆく残光に深まる
この世につけ加えるべき何ものがあるだろう
彗星はどんな視線も届かぬ彼方へ去り
夥しい書物と音楽に囲まれて人は老いる
ふたたび母犬の胸乳に孔犬どもは寄りそい
かくくり返すものにくり返し慰められつつ
なおも私たちはくり返さぬものへと歩む
![■なおも私たちはくり返さぬものへと歩む──週替わりの夕暮れ[14.9.14]_d0190217_2383084.jpg](https://pds.exblog.jp/pds/1/201409/14/17/d0190217_2383084.jpg)
9月9日、福岡市中央区舞鶴にて。
舞い散った花びらを用い、誰かが夕空へコラージュした。
![■なおも私たちはくり返さぬものへと歩む──週替わりの夕暮れ[14.9.14]_d0190217_23561085.jpg](https://pds.exblog.jp/pds/1/201409/14/17/d0190217_23561085.jpg)
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