■行きずりの光景/行き掛かり上の縁──この数日のこと |
午前1時。
私はこの日の夜のこと(皆既月食)を知らず、たまたま白く輝く月に見蕩れた。

午後8時過ぎ。
友人と飲みに行く途中(福岡市早良区西新)、まさに行きずりで、ビルの向こうに赤ら顔のものを見つけ(ここで昼間聞いた今宵の月のことを思い出す)、信号待ちの間にシャッターを押した。

●11日
福岡リーセントホテル(福岡市東区箱崎)にて、高校同窓会の福岡支部総会が開かれた。
60歳以上も年代幅のある男女100名程が参加。
ちなみに、母校は北九州市小倉北区にあるが、遠賀川以西を福岡支部の範囲としている。

今年の幹事学年は3歳年下。
壇上で校歌斉唱をリードする彼/彼女らとは、勿論在学時に袖摺り合うこともなかったが、最早これだけ経てば齢の差は無いのも同じ。
たまたま入学した高校での、行き掛かり上での人間関係。
だけど私は、この日、此処に居た。

博多駅に移動のタクシー車中より。
予期していない時に限って、夕焼けが大きい。

●12日
植木好正さんの「ドイツ似顔絵展」(直方市殿町・喫茶「カンヴァス」)の最終日。
→似顔絵描き1万人チャレンジの植木好正氏、そして花乱社5年目に入る

この建物、元は洋服仕立て屋とのこと。
その後どういう経緯で「グルメ珈琲の店兼ギャラリー」となったのか店の人に聞かなかったが、男女・大小兼用のトイレに入りその蓋を開けて覗き込んだ時、私は圧倒的な年月のもたらす重量・質量感を垣間見、打たれた。

画用紙に描きとめられた行きずりの人々。

「レーゼの家」(旅の宿・エッセン)。
やっぱり、ゴッホでも、ユトリロでも、シャガールでもない、大真面目だけどどこか可笑しい植木さんの絵の世界。

[10/14最終]
→花乱社HP