■花乱社の残暑見舞い、創業5周年記念・谷川佳枝子さんの講演会 |
先週、下に掲げる残暑見舞いの葉書を出した。記している通り、9月末で花乱社創業満5年を迎える。まずは「お蔭様です」と申し上げておきたい。

たかだか5年。けれど、最早自分の誕生日にお祝いの言葉を述べられても素直に喜べない齢となった者としては、それなりの感慨無きにしもあらず。ちょうど、2011年6月刊行の谷川佳枝子著『野村望東尼──ひとすじの道をまもらば』が完売・品切れとなり、花乱社の企画本としては初めての増刷を計画中だったので、2刷(誤記・誤植を改めたほか小改訂)刊行(9月1日出来)と併せて、創業5周年記念ということで谷川さんに講演をお願いすることにした。
演題は「ひとすじの道──野村望東尼の歌と思想」。一介の行政府の無軌道ぶりに引きずられて再び道を誤ろうとしている現在、この国はどうなっていくのか──という望東尼が抱懐した想いは、勤王佐幕時代とは遙か隔たっても、紛れもなく私たちのものでもあるだろう。
望東尼の歌と思想を研究し続けて30年になる谷川さんに、ご自分の望東尼追跡行をも併せて、「ひとすじの道」を語っていただこうと思う。
会場は福岡市赤煉瓦文化館。かつてここが福岡市立歴史資料館であった時代、谷川さんは郷土史家・筑紫豊氏が携わっていた仕事(野村家寄贈資料の整理)を手伝うために通われたとのこと。少し遅れて私も、海事史を専門とする郷土史家・高田茂廣氏と──多くは昼食に呼び出されて──お会いするためにしょっちゅうここを訪れていた(参考→『海と歴史と子どもたちと──高田茂廣先生遺稿・追悼文集』/『海と歴史と子どもたちと』刊行お披露目会寸描)。そこで遭遇したことはないが、それぞれにとって思い出の館。やや狭いかも知れないとしても、講演会場を決めるに際し私に迷いがあるはずもなかった。
