■「読売新聞」読書面に『中国の古橋』が |
全国紙読書面で大きく紹介されるのは、花乱社としては初めだったかな……。ともあれ、「ワーイ」と言いたい気持ち。
中国の大地を旅していた頃、世界一美しいといわれる盧溝橋はもとより、北京・頤和園(いわえん)の十七孔橋、杭州の京杭大運河にかかる橋など古橋の美しさに刮目(かつもく)したことがよくあった。
本書は、眼鏡橋のルーツを探ろうと考えた写真家が、欧州の石橋に次いで中国の古橋を求め4年にわたり5万6000キロを踏破して撮り続けた貴重な記録の中から、代表的な165ケ所の古橋を厳選して編んだものだ。
どの古橋も現役で、それぞれの地域の自然と風土にどっしりと根を下して市民の生活を支えていることがよく分かる。
浙江省の木造廊橋(屋根付き橋)や全長3500メートルの石梁橋(船曳き橋)、各地の様々な石造アーチ橋、支柱なしで100メートルを超える四川省の吊り橋などスケールが大きく、多様性に富む中国の古橋を見ているとすぐにでも旅立ちたくなってしまう。実に魅惑的な写真集だ。 (評・出口治明)
ウィキペディアによれば、評者の出口氏はライフネット生命保険の代表取締役会長兼CEO、無類の読書家で旅行好きとのこと。著書も20冊近く。
紙面掲載は白黒写真1枚だけだし、検索して見てくれる人もいるだろうから、取り上げられている橋の画像を掲げておこう。
●北京・盧溝橋

●北京・十七孔橋

●浙江省・渓東橋

●浙江省・避塘橋
二人はどこまで行こうとしているのか。

●四川省・瀘定橋

●参考記事
→紀元前からの中国の橋──榊晃弘写真集『中国の古橋』
→榊晃弘写真集『中国の古橋』の装丁
→榊 晃弘写真集『中国の古橋』に寄せられた声
→『中国の古橋』が「朝日新聞」に──ネット注文をされる方へ