■姫路へ──「西の比叡山」書寫山圓教寺と白鷺城 |
天台宗別格本山・書寫山圓教寺(えんぎょうじ)の歴史と文化財を紹介するシリーズ「書寫山圓教寺叢書」の第1巻を年内に発刊する予定。おそらく、5年以上掛かって、10巻を超えるものになるだろう。発行は圓教寺、発売は集広舎、そして制作が花乱社だ。
圓教寺は、兵庫県姫路市の書写山(しょしゃざん)に位置する寺院で、西国三十三所第27番札所。「西の比叡山」といわれているようだ。書写山は標高371m、ロープウェイで登る。山の上のあちこちに伽藍が散らばっている。山全体が鳥獣保護区に指定されていることから、鹿害──草をすべて食べられてしまう──に困っていると聞いた。
同寺に置かれているパンフレット。

雨に煙る摩尼殿(まにでん/如意輪堂)。970年創建。岩山の中腹(崖)に建つ舞台造りの建物だとか。

摩尼殿から崖下を望む。

縁側と言っていいのかな。映画『黒衣の刺客』(ホウ・シャオシェン監督)で使われたと聞いて、確かに主演スー・チーがここを歩く姿がとてもスタイリッシュだったことを思い出した。

昼は塔頭(たっちゅう)壽量院で精進料理。写っている分の他に、蕎麦など幾つか出てきてそのボリュームに驚いた。

壽量院の庭。

さて、その場で名前は聞いたが……少し珍しい花のようだった。
*後で、当日案内していただいた方に再度お尋ねしたら、クリンソウ(九輪草)とのこと。
「塔のてっぺんに相輪というのがあります。九重になっているので九輪とも言います。環状に咲いた花が重なっていき、九輪、相輪のように見えるのでクリンソウと呼ばれます」と。
なるほど、如何にも書寫山圓教寺に相応しい花だ。

大講堂と常行堂(いずれも国指定重要文化財)の間を行く二人。
このように一日中雨にけぶってはいたが、これはこれで圓教寺には似つかわしく、却ってこのような日に訪れることができたのは喜ばしいことではないかと思った。何事も機縁ありき。

翌朝、姫路城(白鷺城)を見学。
姫路市は人口約54万人、中心分は自家用車の進入を制限しているようで、車の通行量も少ない気がした。

