■シェイクスピアを甦らせる2冊──『シャイロックの沈黙』・『ロミオとジュリエット・悲劇の本質』 |
昨年がちょうどシェイクスピア没後400年だった。今、その内容を詳しく書く余裕はないが、いずれも、世評高いシェイクスピアの戯曲を全く独自の視点で取り上げたもので、特に『ロミオとジュリエット・悲劇の本質』では、「純愛もの」という流布されたイメージを見事に引っくり返してしまう。
まず坂本氏は、岩波文庫版などの日本語訳を丁寧に読んでいくのだが、全く無駄な台詞のないシェイクスピア作品を、訳者自身がきちんと読んでいないことから発生する誤訳を追及していく。その、スリリングで、説得的な叙述には、どうしても弁護士という職業のことを思ってしまう。
[書き掛け]
カバー画像も掲げておこう。
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