■老女の好きな入道雲──週替わりの夕暮れ［7/10-17］

　そういえば、今年初めてワシワシ（熊蝉）の声を聴いたのは、まだ先週のこと。何とも暑苦しい合唱となるが、これを聞けば一気に夏休みの小学生気分になる。
　みんなで川を溯るような雲の動きだ。

　このところ西ノ堤池にて、コンパクト・カメラ持参の老女とよく出合う。どこかの野原でブラブラと土筆を探している風情で、ぶつぶつ言いながらあれやこれやを写している。時折、空に向かってカメラを構えていても、私が「ライバル現わる」と戦々恐々としたりしないのは、彼女が夕焼け空に向かってもストロボを発光させたりしているからだが（何度か、「発光禁止」のやり方を教えようかと思った）、それでも何を撮っているのか気になることがある。
　今日も、前の周回で私が撮った入道雲（東側）を、「わー、奇麗」と小躍りしながらカメラに収めようとしている。うーむ、なかなか渋い趣味だ。今の瞬間、この入道雲を愛でているのはおそらく10人位だとして（そうかな？）、なんとそのうち二人がこの池の傍に居る──などと埒もないことを考えつつ、池を10周した。
　彼女は多分毎日、あの小さな池の周りで新しい「発見」を求めて歩き回っている。私はほぼ週一──やはり恐るるべきか。

　帰りがけ、入道雲と反対側には小ぶり（？）の鱗雲が浮かぶ。

●10日　
　自宅（城南区）近くより。

●12日
　アガパンサスの花にも幾種類か色が。中央区・長浜公園。

●15日
　自宅近くの公園グラウンドより。暮れきってしまうまで見ていたいが……やはりビールの快楽の方が勝る。

　［7/23最終］







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