■この世の何の変哲もない池のほとりで──週替わりの夕暮れ[7/30] |
勿論、クマゼミ自体が南北に長いこの国のどこにでも現れるわけでないことも知っているし、もし地上からクマゼミが居なくなったとしたらどれほど真夏が寂しいだろうか、などとも思いながら誰かに尋ねたい気になるんだけどね。
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それが、いつもの如くやや日が翳ってきた時刻から歩き始めて、西ノ堤池に到着してみると、これは意外や、そこで全盛なのはジージージーと暑苦しさでは引けを取らない──いや、やはりまだましか──アブラゼミ。
そうか、「一強体制」のように見えても、実はクマゼミの天下は午前中だけなんだね。それとも、もうやや季節外れの引き際か。
![■この世の何の変哲もない池のほとりで──週替わりの夕暮れ[7/30]_d0190217_22384161.jpg](https://pds.exblog.jp/pds/1/201707/30/17/d0190217_22384161.jpg)
周囲の何を見てもひどく熱発しているようだ。先程私のだいぶ前を歩いていた中年男性が──今年はまだだけど、私も毎年この時季やるように──頭から水道水を被って公衆トイレから駆け出てきた。気持ち良さそうだ。あれは一度やるとちょっと病みつきに。
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未生 谷川俊太郎
あなたがまだこの世にいなかったころ
私はまだこの世にいなかったけれど
私たちはいっしょに嗅いだ
曇り空を稲妻が走ったときの空気の匂いを
そして知ったのだ
いつか突然私たちの出会う日がくると
この世の何の変哲もない街角で
![■この世の何の変哲もない池のほとりで──週替わりの夕暮れ[7/30]_d0190217_2239118.jpg](https://pds.exblog.jp/pds/1/201707/30/17/d0190217_2239118.jpg)
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