■岡田哲也詩集『花もやい』紹介記事 |
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2017年 10月 13日
●「詩の橋を渡って」和合亮一(詩人)──「毎日新聞」9月27日 夏から秋へ。ヨーロッパや韓国の詩人たちと語り合った。母国の社会が抱える事件や問題に踏み込みながら、詩とは何かという問いを同時代の仲間と共にしたいという姿勢を感じた。今月に刊行された数多くの詩集を読みながら。日本の詩人たちには、それが足りない気がした。 藤井貞和は、社会の出来事や問題について先鋭的でどこかユニークな書きぶりで向き合ってきた。例えば戦争や人権、教育の問題など、近年は震災を。(略) どんな ひとりひとりにも ひとつのものがたりは あるものです 岡田哲也『花もやい』(花乱社)。藤井も岡田も大きなものの陰に隠れている、かそけき日々の暮らしの音(葉音)や弱々しい呟きに熱心に耳を向けようとする。私たちの社会の傷口をめぐる声であると伝えたいかのようだ。 だれも きづかない かたすみのものにも おおきないみは あるものです だれもきこえない かすかなこえにも このよの ほんとが あるように ●「詩はいま 9月」平田俊子(詩人)──「南日本新聞」9月28日 岡田哲也さんは出生地である出水市に戻り、生家近くに45年間住んでいる。新詩集の『花もやい』は、福岡市の花乱社より刊行された。 「宙(そら)うた」と「地(じ)こえ」の2部構成。「私なりの花鳥風月そして天地人の一冊」とあとがきにある通り、沈丁花や糸瓜、鮎や千鳥や人間など、詩の題材は多岐にわたる。 とはいえ花鳥風月の一般的なイメージとは異なり、どっしりとした大地に南国の熱気と湿度があり、焼酎のにおいがする。人の話す言葉は方言まじりで、交流は濃厚だ。 飾り気のない言葉からは、著者の温かく開放的な人柄がうかがえる。反骨の精神が光るかと思うと、女性に関してはロマンチックな一面がのぞく。そういう振幅もこの詩集の持ち味だろう。 シゲヨさんとミヨちゃんを送ったあと 見上げた空は青かった わたしは双手で雲にぶらさがるくらい 背のびして叫んだ 「ヨシッ! ヨシッ!」 (「残りの月」) 自分たちを励ますような、肯定するような「ヨシッ! ヨシッ!」がいい。この詩集には随所に肉声が気持ちよく響いている。 ●「私なりの花鳥風月──岡田哲也さん11作目」──「南日本新聞」10月6日 出水市の詩人・岡田哲也さん(69)が11作目の詩集『花もやい』を出版した(花乱社・2160円)。生まれ育った出水の「私なりの花鳥風月」を歌った30編。愛すべき地で暮らす日々の調べがゆるやかに流れている。 タイトル『花もやい』の「もやい」は、絆や結いのような固い結びつきではない。「こんな思いとつながっていたい」「この花と結ばれていたい」と願う、人と人、人と自然との結びつきを「ぼんやりと平仮名で表現した」という。 〈このところ 景気のいい話/万羽鶴から 聞きません〉と始まる「沈丁花のころ」は、〈いつのまにかこの島々/放射能よりも陰微に/いかにも正しげでいかにも優しげなものたちに/骨の髄まで汚染されてます〉と警告を発しつつ、〈どこからともなく 沈丁花が香る夜は/心の鎖をほどきましょうか〉と呼び掛け、ほろ酔いで「良か 晩 なあ」と洩らす。 連作「鮎のうた」は季節感たっぷりに鮎が到来する喜びを歌い、4編からなる「糸瓜のうた」では、糸瓜になって、重力に逆らったり、恋をしたり。やぶつばき、桃、コスモス、浜昼顔──。さまざまな花と結んだ思いが平易な言葉で語られる。 「自分で選び取って出水に住んでいるわけではない」と語る岡田さんなりの、ふるさとで暮らす楽しみと愛情が詰まっている。(兵頭昌岳) ●岡田哲也さん関連記事 →『憂しと見し世ぞ』出版祝賀会、あるいはお茶目な大人たち[2011.9.8] ○
by karansha
| 2017-10-13 18:45
| 編集長日記
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