●8月13日
くじゅう行、前日の夕暮れ。
ちょっと、波瀾ドラマの予告のようでも。

●8月14日
豊後森駅に立ち寄る。ここは初めてかな。
如何にもの昭和風やレトロ調──要するにミーハー(死語か)──には付き合いたくないが、ほとんど客が居ないのには妙な好感が持てた。

竜門の滝。以前、九州の滝のガイドブックを作ったくせに、へえー、夏の滝ってのはこんなに人気があるんだ、なんて感想を持った。くじゅうにて。阿蘇方面を望む。
いくら雄大さを誇っても、やっぱり雲には勝てないね。

いつもの穏やかな表情の三俣山。

くじゅうワイナリーにて。
ワイン好きの息子に付き合って初めて訪れたが、今度、ここで昼食を摂ってもいいかな。

今回のくじゅう行の目的は、ほとんど毎度ながらだけど、白水鉱泉(天然炭酸水)での水汲みとこのお宿。
以下、そのテラス庭にて。
のどかさの典型風景。
紅葉も含めて、葉っぱが気になるのは私の習性。
品種は同じだったり似たようなものだろうけれど、やはりそれぞれ表情が違う。
段々と葉っぱに本気になっていく。
えい、今回はこの庭の葉や花を全部撮ってみよう、と。
夕陽に染まる泉水山。
この夕暮れだけでなく、翌早朝もヒグラシの声を聴いた。
朝方のはヘナヘナヘナ…と、天からとも地からとも知れない幽(かそけ)さだった。
長い間、あの早朝短時間の鳴き声は、ヒグラシに似ているけれど、でも……という具合で、自分では解決のつかない難問だった。
今回、宿のご主人・藤井衞子さんの回答で得心した。
暮れ方と早朝の合計2時間程が、ヒグラシの(多分)求愛タイム。
暗がりで人知れず頬を染めて。
なかなか難しい配色。

少女の血管の如く。
今更だけど、繊細なものほど傷つきやすい。
幼い頃好きだった、その辺に転がっている花。

はて…?
私と一緒で、幾らか老いぼれているかな。
「叶館」のシンボル・ツリー、欅の根元近く。
この花の花言葉は何? って気にならないだろうか?
ヒゴタイ──「実らぬ恋」だって。
何かは知らぬが、葉っぱ好きには堪えられないふくよかさ。
翌日、台風接近で雨模様のやまなみハイウェイにて。
今、この技を披露している人のことを思い出せない。改めて。
ふと足元を覗いて。
普段はあまりレンズを向けようと思わないが……これこそ造化の妙。
美しいからこそ気持ち悪い。
だが、毛虫が何故、これほど美しい?
鳥にでも食べられるだけではないか。
答えはただ一つ。
美しいものには毒がある──そのことを教えるため。
どうやら台風は逸れたようだ。