■木村尚典編著『神官・書家・漢学者 吉原古城の探究』の出版祝賀会、そし週替わりの夕暮れ［1/27］

●26日

特急電車を行橋で降りると、霙が降っていた。

京都（みやこ）ホテルにて、木村尚典編著『神官・書家・漢学者 吉原古城の探究』（218年11月刊行）の出版祝賀会が開かれた。

木村さんの本は、光畑浩治さんの文とのコラボレーション『田舎日記・一写一心』に続き２冊目。

　→行橋市での『田舎日記／一写一心』出版のお祝い会

　→『田舎日記／一写一心』（文：光畑浩治／写真：木村尚典）について

吉原古城（よしはら・こじょう／慶応元年〜昭和７年）は、福岡県京都郡みやこ町犀川の生まれ。本のタイトルにあるように神官・書家・漢学者として活躍、とりわけ城井谷（きいだに）と称される地域の書家としては、下枝董村（しもえだ・とうそん）と並び立つ存在とされている。著書として『和魂漢才』、各地に書作品を遺している。

祝賀会に集まったのは、木村さんの活動範囲――現役時代の職場・郵便局の関係者、木村さんは書家でもありその関係者、そしてリハビリとして始めた写真の関係者など、総勢60人位か。

事前に参加者全員での集合写真撮影があり、続いて開会。
木村さんの謝辞までに、祝辞が５人、そして祝宴となっても10人程、合わせて15人程のお祝いスピーチがあった。中で、私にとって感銘深かったのは、「地方に文化が根付き、人々の暮らしがそれを連綿と支えているということがなければ、『日本の文化』というものも無い」という趣旨の、確か80歳代の男性の発言。最近は、そういった気宇の大きな（天下国家の、という意味ではない）話をされる年配者がほとんど居なくなった気がする。私自身も、自ら「地方出版」とは言いつつも、本気で「地方の出版」というものを考え続けてきたかどうか……。よく聞く、「ネット時代なので、どこに居たって仕事はできる」という言い方に示されるように、最早、１「地方」ということを言い訳にできない。ただあるのは、自分が暮らす地に根拠を置いた出版かどうか（でなければただの徒花）、人々の暮らしや生き方を映し出しているかどうか（でなければただの似非〔えせ〕か文化ミーハー）――。壇上で謝辞を述べる木村尚典さん（左）と兄の公典氏。最近では珍しく、この日の集まりで私は、どうやら参加者の平均年齢を抑えるに一役買っている、と見て取った。
その私が……と戸惑いつつ、木村さんの謝辞後、事前に依頼されていた「乾杯の音頭」役を、こうした場で初めて務めた。吉原古城もしくは木村尚典さんとどういう関係があるのか――アナウンスを聴き取ることができなかったが、アトラクションにておやじバンドが登場。ベンチャーズ・ナンバーなど、30分程演奏しまくった（歌は無し）。ただ楽器を奏でるだけの無愛想さが良かった。　［2/1最終］
●１月27日いつもの西ノ堤池（城南区）へウォーキング。

黄昏空に交錯する枝々にも、微かなふくらみのシルエットが。

池周囲の所々には昨日の名残の氷。

さて、一点の曇りもない夕暮れだが、この完璧は美しいのかどうか。