今朝の「朝日新聞」の「折々のことば」(鷲田清一)より。
青空に、修復の可能性を残さないほどにまっすぐな飛行機雲を見ると、悲しくなる。(いせひでひこ)
「どうしてあんなに正々堂々と、自分の軌跡を残せるのか」と続く。
絵を描く時、描くことは生きていることと一つで、できばえは結果にすぎないと画家・絵本作家は言う。
いや人生そのものが、どこに行き着くかもわからず、ひたすら迷い、喘ぎ、歯ぎしりするほかないもの。
結果はどうあれ信じる生き方を一心に貫くだけ。
画文集『旅する絵描き タブローの向こうへ』から。
私も、飛行機雲を見る時、「これを美しいと思ったら、まずい」と思う。
多くの飛行機雲は戦闘機が残していったものだ。それがどこの機であれ、いつか誰かの頭上にナパーム弾を落とすかも知れない。
戦闘機とはそのため、もしくはその “威し” のためのものだ。
そもそも軍隊は、市民や庶民や国民を守るための組織ではない。
けれどそれにしても――「結果はどうあれ信じる生き方を一心に貫くだけ」という在り方や覚悟も、やはりまっすぐで正々堂々としているのでは。
●今日の夕暮れ