■「見舞いには愛を下さい 何も問わず 今生きている私を愛して」──髙野香江さんの短歌 |
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2019年 12月 23日
過ぐる10月25日のライオンとペリカンの会読書会、レポーターは髙野吾朗氏、テキストは宮野真生子・磯野真穂の往復書簡『急に具合が悪くなる』(晶文社)だった。 髙野さんは大学の英語教師だが、僕らは詩人・文学研究者としか見ていない。 既に3冊の英語詩集(Blaze VOX社刊)があるが、今年2月、小社にて初めての日本語詩集『日曜日の心中』を刊行した。 今回、テキストにした往復書簡が「病い」をテーマにしていることから、髙野さんはレジュメの参考資料中に、2016年に亡くなられた妻香江さんが書き遺した短歌の直筆分コピー1ページ分を添えていた。 一読、その言葉の徒(ただ)ならなさに打たれた私は、ブログで紹介したいと髙野さんに申し出て了承をいただいたが、後で躊躇ってしまった。 今日、机の周囲を整理していてそのレジュメと再遭遇。 やはり掲載させていただこう。 以下、香江さんの記述のままだが、適宜、語間を空けた。 2015.9月前半の短歌 9/3 今までで最高に愛といたわりと笑みのある我が家 癌のお陰で 見舞いには愛を下さい 心配はお返しします 欲しくないので 見舞いには愛を下さい 何も問わず 今生きている私を愛して その期待 できることなら応えたい だから言わんで「どう?」「元気そう!」 9/4 「生は善 死は悪」という世の中を ぶん殴りたい晴天の昼 もっと上 目指す意識に「もう無理」と 癌で体が教えてくれた 9/5 「誰だってそのうち死ぬ」と笑う友 肩の力抜け世界広がる 「毎日を好きなことして生きよう」と決め 立ち止まる 「何がしたいの?」 9/6 灰の空 燈コスモス 黄信号 見る毎心揺れ深呼吸 いることと聞くことがママのつとめだね この世にいても あの世にいっても 9/9 時計捨て 人目忘れて空見上げ 今従おう体の声に 9/10 来年もゴロウと共に生きたいと ふと思う朝 飲む甘いお茶 9/13 蟬が鳴き鈴虫も鳴く日暮れ時 夏よ 来年また会いましょう 9/17 怒り・恥・頑固・正直・強さ・癌 亡き父からの大事なギフト 限られた日々の中、「どうせ私のことも詩にするんでしょ」と言われた、と髙野さん。 そして確かに、髙野さんは香江さんとのことを詩にした。 「歌」以前の衝迫と言うほかはない香江さんの言葉と、大切な人との最期の時をも言葉にしていく髙野さんの表現と――。 [書き掛け]
by karansha
| 2019-12-23 20:02
| 編集長日記
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