●9月20日
土曜日も普通に仕事をしている私にとっては、この日曜日が連休一日目。半分仕事で、我が郷里・小倉へ。久し振りに見る小倉城、昨年、内部を全面改装したらしいが、均整の取れた外観、このコンパクトさが好ましい。白鷺城ともいわれる姫路城には敵わないにしても、美しさもなかなかではないか。
城内の一隅で、幕末小倉藩の書家・下枝董村(しもえだとうそん/1807〜85年)の書道展が開かれている。
下枝董村は、幕末から明治時代に懸けて活躍した書家。
文化4年(1807)、旧企救郡合馬村(現在の北九州市小倉南区合馬)に生まれる。7歳の頃から書を習い始めたが、その上達ぶりはめざましく、非凡な才能を早くから発揮したという。中年となり、隠居してからは毎朝3000字書くことを日課とした。
幕末期には、長州藩との戦いに敗れた小笠原藩が現在のみやこ町へ移ったことにともない、豊前国仲津郡木井馬場村(現在のみやこ町犀川木井馬場)に居を構えたが、筆や墨の入手が困難であったため、藤カズラを叩いてほぐした「かずら筆」などを使用し、明治18年(1885)79歳で亡くなるまで、多くの作品を生み出した。
(みやこ町ホームページより)
「中年となり、隠居してからは毎朝3000字書くことを日課とした」というのがいい。この書道展を監修されたのは棚田看山氏。棚田さんは小社刊行の『一文一筆・田舎日記』の共著者のお一人。棚田さんもかずら筆で揮毫される。写真の書道展案内も同氏の書。
董村筆「思い邪(よこしま)無し」(論語)さて、「邪な思い」というのは、一体どういうものだろうか。
小倉からは一路くじゅう──大分県竹田市久住町の「久住高原コテージ」に。「くじゅう花公園」や「ガンジーファーム」にも近く、私もくじゅうに行った際によく車で通る辺りだが、今回の GO TO 何とかがなければ、まず行かない宿泊施設。
オートビレッジも併設、西日本最大級とか。自分の車を止めた横にテントを張り、バーベキューでもすれば楽しいことだろう。あちらこちらから楽し気な子供の声が聞こえてくる。この時とばかり、テント張りや火起こしやバーベキューに父親が張り切っている。特別よその家族のことに関心はないけれど、子供と若い父母が一緒にはしゃいで楽しんでいる光景を、久し振りに見た気がする。(そうした場面を根底から覆してしまうのが、戦争だ。雪深い…とか何とか田舎出身を標榜する者とその取り巻きたち、庶民のささやかな幸せを奪うな)
コテージの奥は西に開けた丘。久し振りにずっと日没を眺める。
刻々変わる落暉(らっき)の様相。
コテージも赤く染まっている。![■小倉からくじゅうへ:下枝董村や「久住高原コテージ」やヒゴタイや……週替わりの夕暮れ[9/20-22]_d0190217_22002727.jpg](https://pds.exblog.jp/pds/1/202009/22/17/d0190217_22002727.jpg)
空は夕暮れのキャンバスだ。
![■小倉からくじゅうへ:下枝董村や「久住高原コテージ」やヒゴタイや……週替わりの夕暮れ[9/20-22]_d0190217_22010893.jpg](https://pds.exblog.jp/pds/1/202009/22/17/d0190217_22010893.jpg)
これで最後、これで最後……と立ち去りがたく。
日没の最後の輝き。
当然ながら宿の方も、新型コロナウイルス対策には注意している様子が窺えた。夕食メニューは手が込んでいて充実していたし、翌朝も、一旦は、各々プレートで提供しますと聞いていたが、実際にはバイキング形式となっていた。![■小倉からくじゅうへ:下枝董村や「久住高原コテージ」やヒゴタイや……週替わりの夕暮れ[9/20-22]_d0190217_22134299.jpg](https://pds.exblog.jp/pds/1/202009/24/17/d0190217_22134299.jpg)
●9月21日
ひんやりした高原の朝。![■小倉からくじゅうへ:下枝董村や「久住高原コテージ」やヒゴタイや……週替わりの夕暮れ[9/20-22]_d0190217_22022507.jpg](https://pds.exblog.jp/pds/1/202009/22/17/d0190217_22022507.jpg)
帰り際、コテージ玄関の上空。
雲が泡立っているようだ。
![■小倉からくじゅうへ:下枝董村や「久住高原コテージ」やヒゴタイや……週替わりの夕暮れ[9/20-22]_d0190217_22074707.jpg](https://pds.exblog.jp/pds/1/202009/22/17/d0190217_22074707.jpg)
何より今回、これが肝心な、白水鉱泉(天然炭酸水)へ水汲み。
最初は我々だけだったが、次第に続々と水汲み客が。
最近、「水」への関心も高いようだが、やっぱりここのが世界で一番旨い。
![■小倉からくじゅうへ:下枝董村や「久住高原コテージ」やヒゴタイや……週替わりの夕暮れ[9/20-22]_d0190217_22344530.jpg](https://pds.exblog.jp/pds/1/202009/22/17/d0190217_22344530.jpg)
久し振りに「ヒゴタイ公園」へ。
少し遅かったようだが、まだ色味を残した花が。
どういう成り行きになろうとも、ただひたすら空へ。
はて、色を除けば彼岸花に似ているけれど……。![■小倉からくじゅうへ:下枝董村や「久住高原コテージ」やヒゴタイや……週替わりの夕暮れ[9/20-22]_d0190217_22071288.jpg](https://pds.exblog.jp/pds/1/202009/22/17/d0190217_22071288.jpg)
さて、ヒゴタイともお別れだ。
●9月22日
知人宅の玄関先にて。![■小倉からくじゅうへ:下枝董村や「久住高原コテージ」やヒゴタイや……週替わりの夕暮れ[9/20-22]_d0190217_22134478.jpg](https://pds.exblog.jp/pds/1/202009/22/17/d0190217_22134478.jpg)
何とかスターという名だったが……。
これは校区の公民館敷地にて。
![■小倉からくじゅうへ:下枝董村や「久住高原コテージ」やヒゴタイや……週替わりの夕暮れ[9/20-22]_d0190217_22141572.jpg](https://pds.exblog.jp/pds/1/202009/22/17/d0190217_22141572.jpg)
これも見たような……。
鱗雲の下、夕暮れウォーキングに出掛ける。
![■小倉からくじゅうへ:下枝董村や「久住高原コテージ」やヒゴタイや……週替わりの夕暮れ[9/20-22]_d0190217_22145380.jpg](https://pds.exblog.jp/pds/1/202009/22/17/d0190217_22145380.jpg)
もうコオロギしか鳴いていないな、と思った途端、いつもよりゆっくりと一匹のツクツクボウシが鳴き始めた。
我、此処にあり。
如何にも老兵の如く……ただし、最後の譜面まで歌い終わることはなかった。
この花は何度も撮ったが、毎度、やはり気になる姿の一輪がある。
![■小倉からくじゅうへ:下枝董村や「久住高原コテージ」やヒゴタイや……週替わりの夕暮れ[9/20-22]_d0190217_22154423.jpg](https://pds.exblog.jp/pds/1/202009/22/17/d0190217_22154423.jpg)
西ノ堤池(城南区)。
顎のしゃくれた月が出てきて。