■岡山〜高松
のっけからJRの悪口を書いておこう。岡山から「快速マリンライナー」（西日本旅客鉄道と四国旅客鉄道が共同運行）に乗り換えて、まず驚いた。先頭車両（１両目）が２階建てになっていて、上がグリーン席、下が指定席。列車に乗り階段を数段降りて予約していた指定席に坐ると、窓の中間辺りの位置がほぼホーム床の高さで、ホーム上の汚れが目につき、歩く人々の脹ら脛が真横に見える。「半地下」よりやや増し、と言っておこう。これだと、海に渡された橋を渡る際も、鉄橋端には欄干めいたものが立っているだろうから、折角の眺望が遮られることに。よくもまあ、こんな車両を拵えたものだ。やはりコロナ禍のせいだろう、指定席はガラガラで、同じく岡山から乗車した親子三人以外乗ってこない。車両内を探検してみると、先頭車両の後部に、通常の床高の小さなフロアーがあって左右に座席が一つずつあるので、とりあえずバッグを持ってそこに移動すると、坐る間もなく女性客室乗務員がやって来て席に戻れと言う。出発後、指定席には他に客も乗ってこないし、臨時展望用の如きそこの席に居ることが不都合ならしばらく立っていて景色を眺めて戻るからなどと言っても、マニュアル通りの対応しか頭になさそうなその乗務員は「席に戻って下さい」の一点張り。やむなく一旦席に戻った私たちは、すぐさま、普通車なら何の問題もないだろうと２両目に移動する。普通車両は半分程しか席が埋まってなく、窓の高さも通常通りで、勿論高松に着くまでチケットの確認もなかったし、実に快適だった。それにしてもあの乗務員は、「では、普通席に移られては如何」程度のことが、何故言えなかったのだろうか。
なお、先回りして言えば、二日後の帰り便もこの「快速マリンライナー」だったので、 “前例” 通りに普通車両に移動したが、しばらく経って「新型コロナウイルス感染防止のため、グリーン席や指定席間の移動はご遠慮下さい」とのアナウンスが流れた。まるで二日前の私たちの行動を踏まえた上でのような物言いだ。今のコロナ禍状況においては、自由に移動できる（＝感染リスクが高い）普通車両と違って座席使用が特定できているという “安全性” が売り物になるのだろうね。そもそも、それほどに「指定席」利用に対して神経を遣っているのであれば、グリーン席下の “半地下” 扱いは改めたらどうだろうか。ネットでは、「満員になることが多いこの列車では、必ず坐れる指定席が有難い」という声もある。
どうやら、元々、瀬戸内海を横切る眺望を売り物にして無理矢理にグリーン席を作った上で、普通は坐りたがらないだろう１階部分をどう捌けばいいのか──誰か知恵者がそうした実入りを考えたもののようだ、と言うと穿ち過ぎだろうか。
●指定席の視線位置
●高松市・栗林（りつりん）公園
国の特別名勝に指定された回遊式大名庭園で、面積約75ヘクタールは、文化財庭園では国内最大という（ウィキペディア）。広島市の縮景園（→普請中だった広島の世界資産モニュメント──Go To…利用で一泊行）を思い出したが、断然規模が違う。
優しいピンク色だ。
モミジの花か。
私の好きな、アーケードのある商店街（ガラス製アーケードに覆われたものはパサージュとも）。福岡市の新天町アーケードとは比較にならない大きさ・長さ。
ただし、これほどの規模のアーケードを持て余しているような通行人数。今の時期だから、だろうけれど。
書店を見掛けると、ほっとけない。
高松港に臨むホテルの窓から。右手前の溶岩台地は、日本史上でも名高い屋島。
左下の小さな灯台は、観光スポットにもなっている「せとしるべ」（高松港玉藻防波堤灯台）。
夜間は赤い灯りが灯される。
後で行ってみようとは思ったが……。
市内のカフェ入り口に架けられていた絵。
はて、どこかで見たことがあるような……。
若い人たちに人気らしい北浜alley。
昨今流行の、倉庫街を複合施設にリノベーションした地域。
最早見慣れた、単なる雑貨店もありそう。
民家の狭間に。
再びアーケード街に。
こんな店があるのが楽しい。
こうした庶民の楽しみを奪ってほしくないね。
そして、この堂々たるアーケード。
高松丸亀町商店街。
なかなかいい線いっている。
無粋なのは承知だが、ここでミラノのガレリア↓を並べてみよう。2013年９月撮影。
裏通りも日が暮れて。
これから穴子の刺身を食べに。
天守閣から、多分北側を臨む。これまでほとんど意識していなかったが、四国の南側を占める高知県は、石鎚山（1982メートル）を筆頭とする四国山地によって陸路往来が難しい時代があっただろうことを今回思った。その点は、同じ鰹で知られる鹿児島県と似た状況ではないか。
ここでもアーケード街に書店が。
そして、「高知グルメのワンダーランド」とされる「ひろめき市場」。鮮魚店や物産品店など約60店が集合し、イートイン・スペースでは「三密」なんぞ何するものぞムードでいっぱいだ。どうやら車でそのまま来られる関西からが多そうで、大阪弁が飛び交っている。
言わずと知れた「はりまや橋（跡）」。「期待はずれ名所」の筆頭みたいな言い方を見た気がするが……そもそも期待する方がおかしいようで。
電車通りの夕暮れ。
■５月４日 高知〜高松
ホテルのレストランから南側を眺める。鏡川に架かる橋は鏡川大橋か。
右側に視線を移す。橋が３本架かっている。
さて、今日は朝からある施設へ。
以下、圧倒的な数の植物が登場するが、高知市内のこの施設が何なのか、見当がつくだろうか。 ［以降、書き掛け］
これはケシの花。
これは私にも分かる、主に対馬などで自生するヒトツバタゴ。
36年前、当時対馬在住だった邑上益朗氏の『対馬の花──陸橋の島の植物相』（全２巻、葦書房）という写真集を制作した時にお目にかかって、少なくとも名前は忘れたことがない花だ。
大層な寄り道だが、ここで『対馬の花』を紹介しておこう。B５判変型（247×182ミリ）ハードカバーⅠ巻＝144ページ、Ⅱ巻＝152ページ
Ⅰ巻中に「ヒトツバタゴ」は６ページを充てられている。そのうち解説付きの４ページ分を下に。ひときわ力が入っていることが分かる。
余計なことだが、邑上益朗氏は、これまで私が出会った著者の中でもとびきり繊細でお洒落な人だった。現在、71〜72歳。如何お過ごしだろうか。上記の本からプロフィールまで転載しておこう（1984年４月時点）。
ここから温室へ。
温室入り口のホールは、天井が “筒抜け” だ。
温室に入るなり、私の大好きな赤い葉っぱの植物が。
これでここが一遍で好きになった。
ピンク色のも来た。
バナナの花。
不思議な実を付ける木。
サボテンもある。
これ、家に欲しい。
オオオニバス（大鬼蓮）。高松への帰り道、大歩危小歩危（おおぼけこぼけ）に寄る。
［5/29最終］
