小正路淑泰著『堺利彦と葉山嘉樹』出版記念講演会(行橋市)に。
出版祝賀のスピーチの中で川本英紀氏(元みやこ町歴史民俗博物館学芸員)が、原稿を手掛けられた育徳館(旧豊津)高校250年史の編纂を通してみて、「歴史に名を残す人と(例えば母校に巨額の寄付をしたといった業績がありながらも)残らない人との違いは、どうしてだろう?」という話をされた。それは、その人のことを「忘れてはいけない」と思い顕彰を行う後世の人間が現れるかどうかではないか。そして、そういった人の努力がまた後の人に伝わって、「伝え残す」という営みが繰り返され積み上げられるのではないか、と。
ちょっと不思議な装丁だ。中央上部に「と」が群がっているのは、四つだけで言うと「とよつ=豊津」だと言えるが、はて、中央にもう一つ「と」があるのは……?![■行橋にて「故郷」思いの伝統を想う、そして週替わりの夕暮れ[7/1-4]_d0190217_18083944.jpg](https://pds.exblog.jp/pds/1/202107/10/17/d0190217_18083944.jpg)
小正路氏。
![■行橋にて「故郷」思いの伝統を想う、そして週替わりの夕暮れ[7/1-4]_d0190217_22412994.jpg](https://pds.exblog.jp/pds/1/202107/04/17/d0190217_22412994.jpg)
「今もなほ蕨(わらび)生ふるや茸(たけ)いづやわが故郷の痩松原に とし彦」──堺利彦自筆
堺が赤旗事件(1908年)に連座して逮捕された際、獄中で詠んだ望郷の歌。
●7月4日