夕刻、少し肌寒くなり、ウォーキングにはぴったりの状況に。鏡面暮景。
少しだけ時間を巻き戻して。
我が家のヤマボウシも秋に染まって……いや、あれだけ夏場に水をやって来たけれど、紅葉なのか病葉(わくらば)なのか。

玄関でも秋の一幕が。
空の彼方に向かうロマンティシズムの原型のような雲の色。
呼ぶ
谷川俊太郎
あなたは 言う あたしを あなたと 呼びたくないと
でも お前ではないし 君でもない 他の誰とも あたしは違う 存在だよと 言ってくれる あなた
携帯で 話していると あなたは あたしのすぐ傍に いる
一度 大声で 呼びかけてみたい あたしもあなたを あなたと 呼ばずに
おーい 深い谷の 向こうから おーい おーい (『あたしとあなた』2015年)
歩きながら私は、おーい、おーい、って口走ってみる。