■二泊三日でベタな大阪を味わう旅

今しかできないことを、と思い、昨年から（已むを得ず）国内旅行に勤しんでいる。今更「ディスカバー・ジャパン」なんていう気持ちは露ほどもないけれど、幾つかの旅の経験を通して思うのは、「名物に美味いもの無し」という言い草には私は頷けないということ。二泊三日で神戸〜大阪を旅してきた。
神戸はまあ序でで、基本は「ベタな大阪を“味わおう”」という旅（ただし私は原則、食べ物の写真は撮らない）。今、細かくあれこれ書いている時間がないので、ザッと写真を並べメモを添えておこう。
●神戸南京町中華街長安門。ここはおそらく初めて（ガキの頃の家族旅行などのことまでは覚えていない）。他所との比較はできないが、中華街としての歴史を感じさせられた。

かなりの人出だ。

中華食材店で、久し振りに蛍焼のラーメンどんぶりを買う（30年程昔、中国広州の薄暗いデパートで「服務員」の世話で蛍焼のセットを1000円で買ったことがある）。

元祖豚饅頭店「老祥記」の客がゾロリゾロリと並んで待っている一角。

へえー、豚饅でね。

その並んでいる傍に、街中のオアシスの風情で。

ブラブラと建築散歩。

神戸商船三井ビルディング。

神戸メリケンビル。

旧ファミリアホールの外壁をマンションの低層部として復活させたものとか。

元町商店街。

如何にも地方都市っぽくて親しめる。

こんな店があるんだ。

ハーバーランドにて神戸港を望む。

丸っこいピラミッド様の建物は神戸メリケンパークオリエンタルホテル。

モザイク大観覧車。

人っ子一人居ず、ただ単に場違いな遊興施設のよう。

神戸も暮れてきて。

ここでの昼食は、中華街からは外れているが、広東点心や餃子が人気だという「龍泉」での点心飲茶コース。

庶民的ながら老舗の味だった。

夜は、「兵庫の“旨い”が勢揃いの新名所」という触れ込みの「ひょうご五国ワールド」。

大阪へ戻る。

ホテル近く、梅田スカイビルのクリスマスツリー。

部屋の窓は大阪駅桜橋口方向を向いていた。

●大阪

朝食を摂ったホテル・レストランは、ちょっとした庭園の一郭ともなっているようだ。

水の中で秋の妍（けん）を競って。

やはりどうもピントがうまく合わない。

午前中は「海遊館」に行ったが、途中からカメラがおかしくなり、全く写真にならず。

今回の旅で私は、普段使っているカメラを持ってくるのを忘れてしまい、補助的にいつも持参はしているが未だ使い慣れていない一眼レフ機で撮影するしかなかった。

まだ未熟だ。けれど、だから伸びしろがある、という言い訳をいつまでできることだろうか。

黒門市場。それほどは観光的になってなく──或いは今の時期だからかも──楽しめる市場だ。

如何にも新鮮そうな魚屋で立ち食いした中トロ、それにおでん屋で頼んだ熱々のゆで卵と大根の美味しかったこと。

三日目、大阪。

ホテル窓から朝焼けを。

雨は上がった。

今日も楽しめそうだ。

最終日はゆっくりと大阪城へ。

なかなか晴れやかだ。

天守閣から。

そうか、大阪城にも金の鯱（しゃちほこ）があったのか──と思ってしまったが、実は日本で初めて金の鯱を乗せたのは豊臣秀吉で、大阪城が初めてだ、とも。

城内各フロアは、秀吉関連の展示が中心だ。

そうか、熊本城なら清正、大阪城に来れば秀吉、か。

南側の眺望。

緑の屋根は豊国神社。

大阪城京橋口付近で。

ところで、大阪のエスカレーターでは、乗った人がみな右側に立っていることに最初戸惑った。

関西はどこもそうかと思いきや、たまたま出会った人に訊くと、京都では左側に立つらしい。

福岡は勿論、九州はどこも左側に立つように思っていたが……さて、どうだろう。

どこで違いが発生するのだろう。

［以降書き掛け］

土佐堀川に架かる淀屋橋から中之島側、大阪市役所を見上げる。

大阪市中央公会堂。

1935年建造の大阪証券取引所。

●蛇足
帰りの新幹線（大阪─博多間）車内でボケーッとしていると、電光掲示板ニュースが間歇的に繰り返し流れるのが眼に入る。それがなんと、すべて「読売新聞」、「日経新聞」、「産経新聞」からの抜粋。そういえば、何カ月か前、博多発の日豊本線特急車内でも同様だった記憶がある。おそらくどの地域も同じだろう、要するに「JR」ってのはそういう戦略（もしくは役回り）なんだね。──これが万一、「改憲」論議が（国民投票まで射程に繰り入れられ）さらに“操作”され始める時期には、さて、どんな電光掲示板ニュースを見続けさせられることになるのか。