●8月19日新しい仕事の打ち合わせで朝から行橋に直行、昼頃に解放されて一人になったら、無性に雲、それに何でもない田舎道が愛おしくなった。これほど空と雲の下に居ることが気持ちいいのに、いつも俺はパソコンに向かって何をしているのか、と。
●8月21日
さあ、ウォーキングに。今日も雲が出迎えてくれる。こういう空が好きだなんてことは、その理由を自分では説明できない。
はて、15メートル先にぶら下がっているのは、ゴーヤー……?
最初はこんなに赤かったのだろうか。
この花の色と気ままな感じがいいね。
何をするために生まれてきたのか──そう振り返らせてくれる。
今日啼いている主役はツクツクボウシ。
10頭(と数えるらしい)位は区別できそうな鳴き声のトーンとタイミング。
蟬の中で一番個性的な種族ではないだろうか。
襟を正して見直した花壇中の花。
それぞれが好きなように。
夕暮れと娘二人と。
我々も勿論、宇宙空間に居るのだ。
夜がやって来る
石原吉郎
駝鳥のような足が あるいて行く夕暮れがさびしくないか のっそりとあがりこんで来る夜が いやらしくないか たしかめもせずにその時刻に なることに耐えられるか 階段のようにおりて 行くだけの夜に耐えられるか 潮にひきのこされる ようにひとり休息へ のこされるのがおそろしくないか 約束を信じながら 信じた 約束のとおりになることが いたましくないか ──『石原吉郎詩集』思潮社、1976年
約束のとおりの夕暮れを見納めて帰路に着く。
[8/26最終]