●11月12日 福岡〜金沢
博多〜京都間を新幹線で、京都からサンダーバードに乗り換える。
それぞれ2時間前後の乗車。
昼過ぎに金沢へ。
これが金沢駅のシンボル・鼓門。高さ14メートル。
夜はライトアップされる。それよりも私は、駅入り口のドームが気になった。一見、太い針金を編んだ大きな鳥籠のようだが、これは金沢を訪れた人に差し出す「雨傘」をイメージしたものとのことで、天井は3000枚以上の総ガラス張りとか。鼓門とのコンビネーションとしては、ちょっとチグハグな感じもするが。
駅近くにとったホテルの部屋から北西側、遠くに日本海を眺める。視線を遮るものがなく、水平線が緩やかに弧を描いているのが見て取れる。およそ半世紀前、大学時代に初めて金沢を訪れた際、当時買った「ブルーガイド」には、「金沢に行ったら、まず高い場所に上がって家々の屋根を眺めてほしい」などといったことが書かれてあった。どうやら近郊に屋根瓦作りで知られている地域があり、金沢の家並はいずこも屋根瓦が黒々と輝いて美しいのだとか。今、ネットで見てみると、石川県瓦工事協同組合のHP記事に、「ここ石川県は小松瓦の生産地であり、また古くより金沢の黒瓦屋根、加賀の赤瓦屋根に代表される瓦屋根文化が脈々と受け継がれてきた土地です」とある。当時、現地でその記述に得心した記憶があるが、今はホテルの窓から肉眼で眺める限り、瓦屋根自体を見つけることも難しかった。ちなみに、上記二十歳過ぎの時に訪れたのは、ナウマン象の化石出土で知られた野尻湖畔(長野県上水内郡信濃町)の宿で行われた大学のゼミ合宿の流れであり、その時一緒に行動した友人とは、2年前に北東北を旅した際、彼の故郷の青森市で30年振りかの再会を果たせた。 →やっぱり本場、みちのくの紅葉と夕暮れ──三泊四日の北東北の旅 →40年前、ゼミ合宿での松下圭一教授眼下に金沢駅が。やはりあのドームがどうも……気になる。何はともあれ金沢の代表的観光地・兼六園に。
ちょうど良い時季かな、と思っていた紅葉に出迎えられた。
小さな滝の流れも。
赤く染まり切って。
ちょっとくどいけれど、こういう紅葉グラデーションに心惹かれる。
兼六園を出て、広場を突っ切って「アメリカ楓通り」に向かう。
向かいの土手は金沢城公園。秋の陽射しが物の影を濃くしている。十日程のちが銀杏の見頃だろう。
広々としていて気持ちの良い所だ。
通称「アメリカ楓通り」にやって来た。
ひとり錦秋を纏う樹。そのまま歩いていると、開放的な公園内に赤煉瓦建築が。
旧制第四高等中学校本館とのこと。
街の歴史の奥行きを感じさせてくれる。
夕暮れが。
今日は飛行機雲にそれほど抵抗がなかった。
繁華街(香林坊)へ。
夜の鼓門。
そして鳥の巣ドーム。
[11/25最終]