![■「いつも 半分しかわからない 残りの半分は その時が来ないと わからない」加藤典洋詩、そして週替わりの夕暮れ[12/7-11]_d0190217_22042008.jpg](https://pds.exblog.jp/pds/1/202212/11/17/d0190217_22042008.jpg)
昨夜、スライド・トークショーの後、箱崎から天神に戻って友人と入った焼牛・焼豚(とん)屋で、久し振りに加藤(典洋)さんの話をした。
逝かれて、早3年半。
一回り年下のその友人に、「加藤典洋が居た時代」といったテーマの本を書くよう嗾(けしか)けた。
それは即ち、コロナ・パンデミック直前の時代でもある。
この間、私たちが何を手にし、何を喪ってしまったか──そのことはまだよく見えない。
加藤典洋さんの遺稿詩集『詩のようなもの 僕の一〇〇〇と一つの夜』(私家版、2019年11月)より、12月11日付の詩を掲げておこう。
待っている
そこは 島のとっておきの場所 一番日当たりのよい 海が美しい南面で 急崖の先 なだらかに海まで続く丘陵に 牛と馬とヤギ が放牧されている
いつも 半分しかわからない 残りの半分は その時が来ないと わからない
そして その時がきて もう半分の意味が わかったとしても だから えらいということではない
僕たちは ただ 笑いあう 相手が誰かをわかる それがわかるということなのだ 2018/12/11
遠く夕明かりの中心に浮かび上がる弧峰。いつも見ていながら山名を特定したことがない。宝満山はだいぶ方角違いだし……。![■「いつも 半分しかわからない 残りの半分は その時が来ないと わからない」加藤典洋詩、そして週替わりの夕暮れ[12/7-11]_d0190217_22043199.jpg](https://pds.exblog.jp/pds/1/202212/11/17/d0190217_22043199.jpg)
この後、小雨がパラつき始めた。