●12月15日過ぐる「コロナ禍」の或る時、友人遠藤薫さんが「めちゃくちゃ美味しい日本酒が手に入った」と言いつつ事務所に一升瓶を持ち込んで来て、「花乱社で日本酒試飲会をやりましょう」とのことで、日本酒が決して嫌いではない私も乗ってしまい、「こういう時だからこそむしろ……」とこれまで2回開催、そして今晩が第3回目の(忘年)試飲会。持ち込まれたのはこの面々。ラベルだけ見てもそれぞれだ。
中に2本、「開栓注意」の札が下げられている瓶が。どうやら発酵が進んでいて、開ける際にシャンパンみたいに栓がポン! と空中にはじき飛ばされるようだ。確かにかなり強烈で、布巾で抑える間もなく、蛍光灯を直撃したら間違いなく木っ端みじんの勢いで栓が飛び出ていった。
7時過ぎに4名でスタート、1時間半程して3名が加わり、結局2升半程飲んでしまったのではないか。
●12月17日
1週空けて、夕暮れウォーキングに。福岡は今年一番の冷え込みで、歩くのにはもってこいの条件。遠くに各種サイズのもっちりとしたパンが浮かんでいる風情だ。![■かなしいかな月明なのだ──石原吉郎詩、そして週替わりの夕暮れ[12/15・17]_d0190217_21075838.jpg](https://pds.exblog.jp/pds/1/202312/17/17/d0190217_21075838.jpg)
雲 一九四九年 バム
石原吉郎
ここに来てわれさびし われまたさびし われもまたさびし 風よ脊柱をめぐれ 雲よ頭蓋にとどまれ ここに来てわれさびし さびしともさびし われ生くるゆえに
西ノ堤池ではさすがに生き物の声は時折鴨があげる玩具のようなそれのみ。
樹々の枝の切っ先が寒空に映える。
月明
石原吉郎
かなしいかな月明なのだ
桶の底まで月明なのだ
夜陰に乗じた馬の
蹄のうらまで月明なのだ
藁の人形を大地へ伏せて
細い刃もので
まふたつにしても
影が左右にあるかぎりは
かなしいかな
月明なのだ
箸のひとつが
たおれても月明なのだ
音のひとつの
果てまでも月明なのだ
![■かなしいかな月明なのだ──石原吉郎詩、そして週替わりの夕暮れ[12/15・17]_d0190217_21081705.jpg](https://pds.exblog.jp/pds/1/202312/17/17/d0190217_21081705.jpg)